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🏭【あるある仕掛品地獄】工程別評価をサクッと解決!実務に効くやさしい例つき

こんにちは!
製造業で働くみなさん、「あれ、仕掛品ってどうやって評価してるんだっけ……?」と毎年決算期に頭を抱えていませんか?
今回のテーマは、そんな**“期末の仕掛品どうする問題”**に終止符を打つべく、工程別の仕掛品評価をストーリー仕立てで完全解説します!
🎬 登場人物:製造部のミナミさん
製造部の若手社員ミナミさん。
部品工場で日々まじめに働いていたある日、経理部から電話が……。
📞「ミナミさん、今期の仕掛品、工程別に評価出してもらえますか?」
😨(えっ、工程別って…なにそれ難しそう…)
🔧 なぜ工程別に評価するの?
仕掛品=まだ完成してない商品。
「完成品じゃないけど、すでにお金はかかってる」から、ちゃんと棚卸に含める必要があります。
そして「どこまで完成しているか」で費用を部分的に評価するのが、工程別評価というわけです。
📦 実際の製造ラインと数字
ミナミさんの工場では、部品をこうやって作っています:
工程 | 作った数 | 材料費 | 加工費 | 仕掛品 | 進み具合 |
工程1(切断) | 1,000個 | 50,000円 | 30,000円 | 200個 | 40% |
工程2(組立) | 900個 | ― | 27,000円 | 100個 | 60% |
工程3(検査) | 800個 | ― | 16,000円 | 50個 | 50% |
「材料費」は工程1で全部投入済み。あとは加工費を進捗で按分すればOK!
🧮 工程1の評価(切断)
材料費と加工費をまず個当たりに分解:
材料費:50,000円 ÷ 1,000個 = 50円
加工費:30,000円 ÷ 1,000個 = 30円
200個のうち、40%まで加工済みなら:
材料費:200 × 50 = 10,000円
加工費:200 × 30 × 40% = 2,400円
➡ 合計 12,400円
ミナミさん「お、なんか分かってきたかも…!」
🔧 工程2の評価(組立)
前工程の原価(50+30円)を引き継ぎ、加工費だけ追加:
加工費:27,000円 ÷ 900 = 30円
100個 × (80円前工程 + 30円 × 60%) =
→ 8,000円 + 1,800円 = 9,800円
🔧 工程3の評価(検査)
ここでも前工程の原価を足していきます:
前工程までで 80+30 = 110円
加工費:16,000円 ÷ 800 = 20円
50個 × (110円 + 20円 × 50%) =
→ 5,500円 + 500円 = 6,000円
🧾 仕掛品の評価結果!
工程 | 評価額 |
工程1 | 12,400円 |
工程2 | 9,800円 |
工程3 | 6,000円 |
合計 | 28,200円 |
ミナミさん「やったー!これで経理部にも胸張って提出できる!」
✨ 実務のヒント
・材料費は「全部使ったら全額評価」
・加工費は「進捗度で按分評価」
・工程が進むほど、コストが積み上がる感覚で考えよう
工程別評価は、やってみると意外とスッキリ理解できます。
「現場の感覚×経理の目線」これが合わさると、数字がぐっと“見える化”されますよ。
ミナミさんのように、あなたも“評価迷子”から卒業しましょう!
✅ まとめ:工程別仕掛品評価の“見える化”が会社を変える
この記事では、工程別の仕掛品評価について、実務に近い数値を使ってわかりやすくご紹介してきました。最後に、大事なポイントをぎゅっと整理します。
📌 ポイントのおさらい
①材料費は全額評価
→ 工程の初期でまとめて投入されることが多いため、途中でも全額が対象になります。
②加工費は進捗度で部分評価
→ 実際に作業した分だけコストが発生していると考え、進捗度(%)で評価額を調整します。
③工程を追うごとに“積み上げる”感覚が大事
→ 工程1での原価を工程2が引き継ぎ、さらに加工費が上乗せされていく「レイヤー型の構造」です。
④最終的な評価額は、現場の進捗の正確さにかかっている
→ 作業実績や日報、製造指図書をベースに「見積もりではない」評価ができる体制が求められます。
💡 実務で差がつく「応用のヒント」
テンプレート化しよう:工程ごとの評価表をフォーマット化すれば、毎月の棚卸や決算前の集計もスムーズに。
進捗度の見える化を進めよう:作業者が現場で記録するシステム(日報やバーコード管理)があると、評価の精度が格段にアップします。
製造原価との連動を意識しよう:仕掛品評価は、製造原価や原価率とも連動しています。部門別損益の精度も向上します。
🚀 今後のステップ:評価を「資産」につなげる
仕掛品評価は、単なる数字合わせではありません。
**「いまどこまで作られていて、いくら価値があるのか」**を明確にすることで、以下のような経営的な利点も生まれます。
・生産効率の見直し
・工程ごとの採算分析
・資金繰り予測の精度向上
・棚卸ロスや過剰在庫の防止
仕掛品を“なんとなく”で評価していた日々に別れを告げ、
数字に強い現場へ、一歩踏み出してみませんか?
あなたの工場にも、「正確な仕掛品評価」が大きな武器になるはずです。