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事業者向け・消費者向けでここまで違う

電子通信利用役務の提供と消費税の正しい取扱い
インターネット広告、クラウドサービス、アプリ利用料など、
いわゆるデジタルサービスは、消費税法上
「電子通信利用役務の提供」として整理されています。
この電子通信利用役務の提供は、「事業者向け」か「消費者向け」かによって、
消費税の取扱いが大きく異なります。
特に、
リバースチャージ方式
インボイス制度
プラットフォーム課税
について注意が必要です。
本コラムでは、消費税法および国税庁の取扱いに基づき、
電子通信利用役務の提供に係る消費税の考え方を整理します。
1.電子通信利用役務の提供とは
電子通信利用役務の提供とは、
電気通信回線を通じて行われる役務の提供をいいます。
代表的な例は次のとおりです。
・インターネット広告の配信
・クラウドサービス(SaaS 等)
・ソフトウェア・アプリの利用権提供
・動画・音楽配信、オンラインゲーム
いずれも、
物品の販売ではなく「役務の提供」である点が特徴です。
2.消費者向け電子通信利用役務の提供
(1)消費税法上の位置づけ
提供先が、
事業として役務の提供を受ける者以外の者(一般消費者)
である場合、「消費者向け電子通信利用役務の提供」に該当します。
(2)課税関係
消費者向けの場合は、
役務を提供する側が消費税の納税義務者となります。(特定プラットフォーム事業者を介して行われる場合については4で説明します。)
海外事業者が提供する場合であっても、
日本の消費者向けであれば、国内取引として消費税が課税されます。
(3)インボイス制度との関係(重要)
インボイス制度開始後、消費者向け取引で特に注意すべき点は、
👉 提供者が適格請求書発行事業者であるかどうか
です。
・適格請求書発行事業者
→ 仕入税額控除が可能
・適格請求書発行事業者でない
→ 原則として仕入税額控除不可
海外事業者であっても、日本で登録を受けているケースがあるため、
登録番号の有無の確認が不可欠です。
3.事業者向け電子通信利用役務の提供
(1)消費税法上の位置づけ
事業者向け電子通信利用役務の提供とは、
国外事業者が行う電気通信利用役務の提供のうち、
その役務の性質又は取引条件等から、
その役務の提供を受ける者が通常事業者に限られるもの
をいいます。
(2)原則:リバースチャージ方式
国外事業者から、
事業者向け電子通信利用役務の提供を受けた場合、
原則として リバースチャージ方式 が適用されます。
・国外事業者:消費税を請求しない
・国内事業者:
・特定課税仕入れとして消費税を計算
・みなし課税売上として申告
つまり、
役務の提供を受けた事業者が消費税の申告主体となります。
(3)課税売上割合95%以上の場合
一般課税で申告している事業者で、
その課税期間の課税売上割合が95%以上の場合には、
👉 当分の間、特定課税仕入れはなかったものとして処理可能
とされています。
(4)課税売上割合95%未満の場合
課税売上割合が95%未満の場合には、
・みなし課税売上の計上
・特定課税仕入れの計上
が必要となり、
仕入税額控除が一部制限されることで、実際の納税負担が生じる可能性があります。
4.プラットフォーム課税
プラットフォーム課税の対象となるのは、
国外事業者が、デジタルプラットフォームを介して行う
消費者向け電子通信利用役務の提供であって、
特定プラットフォーム事業者を介して
その役務提供の対価を収受するもの
に限られます。
この場合、
当該役務提供に係る消費税の納税義務者は、
実際の役務提供者ではなく、特定プラットフォーム事業者となります。
対象とならない取引
次の場合は、プラットフォーム課税の対象外です。
・国内事業者が、デジタルプラットフォームを介して
消費者向け電子通信利用役務の提供を行う場合
・デジタルプラットフォームを介さずに
消費者向け電子通信利用役務の提供を行う場合
・デジタルプラットフォームを介して行う消費者向け取引であっても、
特定プラットフォーム事業者を介さずに対価を収受している場合
対象とならない消費者向け取引については、
従来どおり、役務提供者が申告・納税します。
また、
事業者向け電子通信利用役務の提供は、引き続きリバースチャージ方式です。
5.まとめ
電子通信利用役務の提供に係る消費税の取扱いは、次のように整理されます。
消費者向け
・原則:役務提供者が申告・納税
・適格請求書発行事業者かどうかに注意
・一定の場合には プラットフォーム課税 が適用
事業者向け
・原則:リバースチャージ方式
・課税売上割合95%以上の場合は
申告上「なかったもの」とする取扱いが可能