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💡知らないと損する?税務上の「経済的利益」とは

知らないと損する?税務上の「経済的利益」とは

 普段の生活や仕事の中で、「お金を直接もらったわけじゃないけど、得したな」と感じることってありませんか?

実は、こうした“得した状態”は税務上「経済的利益」として課税対象になることがあるのです。

今回は、身近でよくある5つのケースを取り上げながら、「なぜ課税されるのか」「税務上の取り扱い」はどうなっているのかをわかりやすく解説します。


①社員が会社の商品を割引で購入できた場合

 社員割引は多くの企業で導入されている福利厚生の一つです。しかし、この「社員割引」も内容によっては税務上の“経済的利益”と判断され、課税対象になる場合があります。

なぜ課税されるの?

 一般のお客様よりも著しく安い価格で商品を購入できる場合、その“値引き分”は金銭的な利益とみなされ、「給与所得」として課税される可能性があります。

税務上の取り扱い

 通常の社員割引(原価+一定の利益など):常識的な範囲であれば、課税されません。

著しく安い価格(極端な原価割れなど)での販売:通常販売価格との差額は給与所得とされ、課税対象となります。

特に役員が関与している場合や、販売数に制限がない場合は、より厳格に判断される傾向があります。

判断ポイント

 社員への販売価格は「通常販売価格の70%未満」であると、課税リスクが高まります。

 (国税庁通達などに基づく判断)

一般消費者向けの値引きと同水準であれば、課税されないことも多いです。

さらに気をつけたいこと

 社員割引も「ちょっと得したな」で済まされることが多いですが、繰り返しや高額商品などでは、税務署のチェックが入る可能性もあります。

割引制度を設ける会社側にも、社内規定や記録の整備が求められます。


② 豪華な社員旅行や家族同伴旅行

 「社員旅行」と言っても、内容がリゾート宿泊+観光+高級料理のオンパレードだったり、家族の同伴がOKだったりすると、実質的には“報酬”と判断され、課税対象になることがあります。

課税されない条件

  • ・旅行日数が4泊5日以内
  • ・全社員の50%以上が参加
  • ・業務的な要素を含むこと

これを満たしていれば非課税、超えていれば課税、というのが基本的な考え方です。

さらに気をつけたいこと

 上記いずれの要件も満たしている旅行であっても、自己の都合で旅行に参加しなかった人に金銭を支給する場合には、参加者と不参加者の全員にその不参加者に対して支給する金銭の額に相当する額の給与の支給があったものとされてしまいます。


③ 社宅に安く住んでいる場合

 会社の社宅に格安で住めるのはありがたいですが、それが市場の相場よりもかなり安い場合、差額が経済的利益とみなされ、給与所得として課税されることになります。

ポイント

国税庁の基準で「賃貸料相当額」と比較し、自己負担との差額が課税対象です。


④ 取引先から高額な贈答品や接待を受けた場合

 業務の一環で接待や贈答を受けることは珍しくありませんが、あまりに高額だと「個人的な利益」として判断されることも。

※1つ前のコラムでバレンタインデーチョコをもらった法人間の税務のジョークをご紹介しましたが、ここではそれを受け取ったのが個人であることを前提としています。

税務上の扱い

業務上必要な範囲 → 非課税

高額で個人的な利益と判断される → 一時所得などで課税

ビジネスマナーと税務判断のバランスも重要です。


⑤ 会社から借りていたお金の返済を免除された場合

 「会社からお金を借りていたけれど、返済が免除された」――これは一見ラッキーな話に思えるかもしれませんが、税務上はそう甘くありません。

なぜ課税されるの?

 借金を返さなくてよくなったということは、それだけ“お金を得た”のと同じ状態です。したがって、免除された金額は経済的利益とみなされ、「給与所得」として課税されます。

税務上の取り扱い

 会社と従業員との関係で行われた場合:免除された金額は給与所得として課税。

会社と役員の場合(特に同族会社など):役員賞与とみなされ、法人税の面でも問題になる場合があります(損金不算入)。

金銭に関わる処理は、贈与や給与、その他の所得として取り扱われるかによって課税内容が異なりますので、会社側・受け取る側の両方で十分な確認が必要です。

 まとめ

 「現金じゃないから大丈夫」と思っていても、それが“得をした”と見なされれば、税金の対象になることがあります。

日常生活や仕事の中でも、こうした「経済的利益」に関しては注意が必要です。

「これは課税されるのかな?」と疑問に思ったときは、税理士や専門家に早めに相談することをおすすめします。